海乃山 青空の楽釣見聞録
11月になると早くもジングルベルが街中に響き、否応なしに歳末商戦に巻き込まれ歳の瀬を感じさせてくれる近頃ですが、クリスマスのハイライト美しい神戸のルミナリエも終わり、♪もう、いくつ寝るとぉ〜、お正月〜。なんてのんきに唄っていると、とうとうお正月がやってきました。「新年、あけましておめでとうございます」
 一年って早いですねェ。ところで昨年の皆さんの釣果はいかがだったでしょうか?今までにない大物を仕留めた方、お魚に嫌われたのか釣果に恵まれなかった方…。色々といらっしゃるとは思いますが、嫌なことはぜ〜んぶ忘れて新しい年に向けて気持ちを切り換えていきたいと思います。平成15年は『好釣!爆釣!!の年』といきましょう。
 そこで今回は新年にはかかせないお魚「マダイ」をGETすることにします。やっぱりお正月にはマダイですものネ。(そうすると年末に釣らなきゃいけないけど)
 場所は神戸市にある須磨海づり公園です。マダイ狙いと聞いたみなさんは船釣りをやるのか、と考えられたかも知れませんが、波止釣りの経験しかなく安易な青空のことなのですぐに海上釣り堀に決めました。なにしろチヌならいざ知らず、波止でマダイ(チャリコなら釣れますが)となるとそうそう釣れるものじゃないので。
 海上釣り堀は和歌山県や三重県に行くとたくさんあります。また、兵庫県には播磨灘に浮かぶ家島諸島。大阪では泉南の田尻にありますが、田尻以外はちょっと遠いのと料金が高いので(平均しておとなの男性で10,000円)もっと手軽な釣り堀がないものかと考えると「ありました!」須磨海づり公園に行けば園内でマダイが釣れる「海洋放牧場」が。須磨海づり公園には5、6回行ったことがありますが、通常の利用しかしなかったので、すっかり忘れていました。入場ゲートをくぐり左手にある第4釣台の一部がマダイの釣り堀になっています。通常の釣り料金を払った場合は、そのままで利用できますし、海洋放牧場だけなら入園料と合わせておとな一人500円(貸竿料含む)と格安。但し、釣った魚はすべて買い取りになります。1kg当り2,200円なので、だいたい3,000円前後になると思います。でっかいマダイを釣るとそれだけ高くなりますが(青空も80cmぐらいの釣れたらどうしょうとビクビクしてました)、1枚だけ欲しいならどこの釣り堀に行くよりは格段安くつきます(お魚屋さんに並んでいるマダイなら実際もっと安いですが、釣り堀は釣る醍醐味がプラスされた料金ですから)。たくさん釣りたい、青物の引きも味わいたい人なら、普通の海上釣り堀をオススメします。まぁ、釣り師なら自然の魚を釣りたいですが、たまには釣り堀もいいんじゃないでしょうか。ここ須磨の海洋放牧場なら初めての方でも確実に釣れますので。
梅ちゃん(青空の嫁サマ)はいまだ大きな魚を釣ったことがないので、彼女に竿を渡しマダイを釣ってもらうことにしました。係の人から受け取った貸竿(ここでは自前の竿は使えません)は、船釣り用で、リールはスピニングと違いダイワのバイキングST44がセットされていました。この片軸リールはかかり釣り師がよく使うリールで、かの有名な工藤昇司氏も愛用されています。製品化はかなり古いですが、永年生き残ってきた定番リールです。最近「バイキング筏44」と品名を変えリューアルされたようで(スペックは前と変わらないみたいですが、値段がちょっぴり高くなってます)、そのバイキングST44から延びる道糸の先には10号ぐらいのナツメ型錘が付けられ、5〜6号もありそうな太ハリスが結ばれています。そのハリスも30cm前後と通常の釣りでは考えられない短さで、サシエは沖アミです。釣りをやったことのない初心者でも絶対釣れるようにしてあるんですネ。普通我々が使うものからは考えられない仕掛けです。
 その仕掛けを落とそうと梅ちゃんが釣り堀内を覗くと、います!います!マダイがウジャウジャ乱舞しています。人影を見るとさらに右に左に泳ぎ回っているようです。今まで人間にエサをもらい飼われていたので、腹を空かしエサをもらえると思っているのかも知れません。マダイ殿には失礼ですが、これじゃぁ動物園の飼育係にエサをもらう猿みたいですネ。
ちょっと可愛そうな気もしますが、パニック状態のマダイの生け簀に第一投目を投じると、まだ1mも仕掛けが降りていないのにいきなり喰いつきました。まるでアマゾンのピラニアみたいです。これには梅ちゃんも驚き、合わせも忘れて逃げ腰になりバラシ。あまりのマダイの勢いに梅ちゃんの方もパニックになりかけています。それでもこわごわしながらへっぴり腰で続いて二投目、これもすぐにきました。今度はバラサないように青空も「竿を立てて!」と応援して、悲鳴をあげながらもどうにか係の人がタモ入れしてくれ取り込みに成功しました。
 「写真に撮りたいので…」と係員に頼むとギャフを掛けてくれ、梅ちゃんがマダイと写真に収まりました。タイトルの写真がその時の撮影ですが、梅ちゃんが「変な顔の時に写した」と言い、顔の部分は隠すようにしてくれと懇願したので
顔が分からないようにしています。最初、目の部分を黒い帯で隠してくれといいましたが、それはちょっとおかしいので、タイトル文字を顔に被せました(おかげで合成するのに苦労しました)。
 係の人はその後、手早くマダイを活絞めし、血抜きまでしてくれました。そんなことまでしてくれるのをつゆ知らず、ナイフと水汲みバケツまで持参していました。けどまったく不要、帰りには氷も付けてくれました。
 釣ったマダイにメジャーを当てると46cmあり、もっと大きく感じましたが計量の結果3,120円だったので1.4kgあったようです(もしかすると100円ぐらい氷代も含まれているのかも)。ここまで竿を手にしてからおよそ5分くらいの出来事でした。普段釣りをする人にはずいぶん呆気ないですが、とにもかくにもでっぷりと太ったマダイを手にすることができました。
 なお、この海洋放牧場では、マダイやヒラメの活魚販売もしています。「釣りはちょっと…」という人(わざわざこのホームページを見る人ならそんな人はいないでしょうが)でもお魚さんで買うよりずっと新鮮なのは間違いないのでいいかも知れません。係員が活絞めと血抜きもしてくれるはずです。

入場ゲートから100m程行くと第4釣台があります。この入り口近くにマダイの釣り堀があり、受付で頼むと職員さんが手配してくれます。釣り堀以外では、通常に釣りができる釣台です。

第3釣台を第1釣台東側の通路から撮影しています。第1・第2釣台に比べると釣り人の数は少ないようです。どちらかといえばファミリー向きなのかも。
「アッ」という間にマダイ釣りも終わったので、海づり公園内を見て回ります。釣り料金は支払っていないので釣りはできませんが、入園料は払っているので見学は自由です。「さぁ〜て、今日は釣れているのかなァ」
 まず、海洋放牧場がある第4釣台(写真1)です。ここも釣り堀以外は通常の釣台ですが、他にもっと沖に出た釣り場があるので一番岸に近い(水深5〜6m)この釣台は人気がないみたいです。青空もここに釣り座をとったことがありません。この第4釣台は全面的に投げ釣りは禁止されています。第3釣台方向(沖向き)にテトラがあるので沖の釣台より型に期待がもてないかも知れませんが、根魚狙いには適しています。
 その少し沖にあるのが第3釣台(写真2)。一部投げ釣りが禁止になっていますが、東向きは可能なので、キスやカレイが狙えます。夏から秋のアジやイワシのサビキ釣りなら第3、第4釣台でも十分です。その他ではやはり根魚やカワハギ、東向き先端ではチヌも釣れたと聞いたことがあります。これから行く第1・第2釣台は人気があって混み合うのでファミリーやこども連れにはこちらの方がのんびりと竿が出せていいかも知れません。水深は6〜8mあります。

円盤型の管理塔を第2釣台南西角から撮影しています。2階に上がるとカレーライスや麺類などの軽食が用意されていて、売店には釣具・エサの他お菓子もあります。管理塔の下でもエサを販売しています。
第1釣台東側の通路を突き進み第2釣台に出ると、ここで目につく円盤型の管理塔(写真3)があります。この管理塔の真下ではシラサエビとアミエビレンガなどのエサが販売されています。階段横には飲み物の自販機も設置され、管理塔の2階に上がると軽食堂があり、カレーライスやうどん・ラーメンなどの麺類が食べられビール(飲みすぎに注意)も飲めます。売店では貸竿や釣具、エサの他スナック菓子も販売しています。また、園内放送で弁当の販売を知らせてくれますが、数が限られているので早めに購入してください。そして急に大雨が降ったりしたときなど他に雨をしのげる所もないのでここが非難場所になりますし、2階にはトイレと煙草の自販機もあるので何かとよく来るところです。
 この第2釣台は各一辺が100mもあり、各内向きは投げ釣りが禁止されています。内向きではズボ釣りが中心に行われていますが、岸からは最大400mほどの距離が突き出しているので、水深も半端じゃありません。普段漁港の奥まったところばかりで釣りをしている人は驚くかもしれませんが、10m以上はあります。それにここも急潮で名高い明石海峡の影響をもろに受けるので潮が動きだすと少々の錘では横に流されて釣りになりません。ズボ釣りの場合、常連の方は10号以上の錘を使っているようです。釣り物は根魚になりますが、ポン級もよく釣れますし、常連さんはメバルの数釣りも楽しみます。その他では春と秋にウマズラハギがよく釣れます。それも時には30cmオーバーが出るのでうれしいお土産ができます。
第1釣台の西向きと同じく東西の外向きでは、須磨海づり公園独特のエビ撒き釣りが有名です。シラサエビをマキエに1m近くもある須磨ウキと呼ばれる棒ウキを使い、時には100m以上も仕掛けを流します。それだけの距離に仕掛けを流すので視認性を良くするためウキも長く作られているわけです。水深もあるので3〜5ヒロ以上のタナをとるらしいです。基本的にはハネ(スズキも含む)狙いですが、チヌ、キビレ、マダイ(腕に自信のある人はこちらでマダイを釣ってください)。時期によりハマチ、シオ(カンパチのこども)も釣れます。もちろん呑ませ釣りなら青物の他ヒラメも狙えます。
 この日は管理塔下内向きで短竿を満月にしている若い人がいて、隣の常連さんがタモ入れを手伝い、ようやく魚が上がったので見に行きました。ベラ系の大きな魚ですが何かよく分かりません。周囲の常連さんも「見たことがない」と考えていましたが、どうやらコブダイだろうと意見が一致しました。まだ幼魚のため頭にコブがありませんが、30cm近くはありました。

第2釣台東向きにもたくさんの釣り人が竿を出しています。第1釣台と並んで大物が狙える人気のポイントです。基本的に下げ潮は東向き、上げ潮なら西向きに釣り座をとります。
海づり公園をぐるっと一周してきましたが、晴天に恵まれ気分も爽快な一日でした。ところがポカポカ陽気のためか、すっかり青空は第1釣台の写真を撮るのを忘れていました。でも他の釣台と絵的には変わらないのでご勘弁願います。ここは第4釣台付近から管理塔までの西向きが釣り座で、東向きは通路のため釣りはできません。ほとんどがエビ撒きのウキ釣りの人が並んでいます。それ以外なら際のズボ釣りか第4釣台付近にテトラがあるので根魚が狙えるでしょう。
 各釣台では夏の暑いころにチヌを求めて玉網を背中に落とし込み師がやってきます。この場合、釣台の支柱にイガイ層があるので、この際に仕掛けを落とすとチヌに出会えるチャンスも増えます。また、盛夏には10cm前後のサンバソウも秋には30cm近くなり私たちを喜ばせてくれます。回遊状況で日ムラはありますがサヨリは夏から年が明けても釣れ続き、珍しいところでは昨年シイラが釣れたそうです。
 最後に注意していただきたいのは、尼崎市立魚つり公園もそうですが足場が金網になっていて、隙間から物が落下します(もちろん、絶対に人は落ちませんが)。青空も以前鋏を落としてしまい、幸い予備を持っていたので助かりました。売店に行けばたいがい揃うとはいえ、無駄な買い物もしたくないですしネ。大事なウキなど落としてしまったら大変です。
 それと管理塔の説明のところでもいいましたが、ここは遮蔽物がなく、強い風が吹くと非常に釣り辛い状態になります。特に冬場は北西の風が強い日が多く、西向きだと正面から風を受けます。東向きに釣り座を変更するだけでしのげる日はいいのですが、どこに変わってもどうにもならないほどの強風の日もあります。
 以前1月に行ったときのことです。天気予報でも風が強いのは分かっていたのですが、ポカポカ陽気で町中は特に風もなかったのでサヨリ釣りに行きました。現地に到着して料金所がある海岸付近にたってみても暖かく、風も別段気になりませんでした(そうだ、ここは背後にあるJR護岸が風避けになっていた)。ところが料金所から釣台に向かう通路に来ると真直ぐに歩けないほどの強風です。身体ごと海に飛ばされそうになるのを堪えながら(冬山の登山みたいでした)、どうにか遭難?せず第2釣台までたどり着き、用意を済ませ釣りを開始しましたが、まったく釣りにならない状態でした。隣の人はバッカンを風で飛ばされ危ういところでつかみ取りましたし、手袋やエサ箱などがプカプカ浮いていました。園内放送でも「強風のため注意してください」という始末です。この放送では風速20mもあるといっていました。それじゃ、台風の日に釣りをしているのと同じじゃないの!どうもこの日は危険なので午後からの入場は打ち切られたようです。釣果の方も当然「完全無欠のボーズ」でした。アァ、こんな悲惨なのいやだぁ。
【お知らせ】
 新春の1月1日〜6日の間「新春つり大会」が催されます(平磯海づり公園は
1月4日〜6日)。景品も用意されるので、お正月休みに初釣りを計画されてい
て場所が決まらない人は海づり公園で今年の運だめしがてら豪華賞品をGETして
ください。

須磨海づり公園の西に延々と続く一ノ谷海岸。東側と違い、テトラがびっしりと積まれています。背後に高いJR護岸があるので、冬場でも比較的風裏になりま
す。
お正月なので今回はちょっぴりオマケで一ノ谷海岸も紹介します。
 須磨海づり公園の東西には源平合戦で知られる一ノ谷海岸が広がります(須磨浦公園には源平合戦800年記念碑なんてのもあります)。海浜センターの裏にはお世辞にも奇麗とはいえませんがトイレもあり、磯遊びがてらファミリーで来て、お父さんは浜から投げ釣りを楽しむこともできます。
須磨海づり公園の西側(写真5)はびっしりとテトラが積まれた海岸になっています。もちろんテトラの上からの釣りになりますが、比較的小さいテトラなの
で足場は悪くありません。遠浅なのでどうしても投げ釣りになるでしょう。この日朝からカレイがパラパラ釣れていたらしく、青空が行ったときにもちょうど20cmクラスのカレイが釣れていたので、撮影させてもらいました。青空はカレイの種類の区別ができませんが、この周辺で釣れるのはマコガレイがほとんどだそうです。
 東側(写真6)は石畳の浜で突き出た堤防がポイントになります。地図には全て掲載していませんが、ここの東にある須磨浦漁港まで土砂運搬のベルトコンベ
アー(立ち入り禁止)を挟んで大小五つの堤防が突き出しています。一部は干潮時しか渡れない堤防とベルトコンベアーのフェンス内の立ち入り禁止区域(それでも釣り人はいますが)にもありますので注意してください。JR護岸沿いを歩いてベルトコンベアーのフェンスの裏側を行けば須磨浦漁港からJR須磨駅にも出れます。それとこのベルトコンベアーもどうやら廃止が決まったようです。これで神戸の海の埋め立て工事も終わりを迎えました。すぐに撤去されるかは分かりませんが、少し前に新聞に載っていました。

須磨海づり公園の東側の海岸。こちらは石畳が敷かれた砂浜になっています。沖に突き出した堤防から投げ釣りができます。若いカップルが浜から投げ釣りを始
めようとポイント探しをしています。奥にあるのは土砂運搬のベルトコンベアー。
【交通】
 須磨海づり公園には山陽電鉄「須磨浦公園」駅下車、徒歩約7分。またはJR「須磨」駅下車西へ徒歩約20分。国道2号線沿いの須磨海づり公園を南に見る所に階段があり、国道2号線を横切る地下道で須磨海づり公園と結ばれています。地下道を抜けるとすぐに須磨海づり公園の料金所があります。
 車の場合、三宮・大阪方面より阪神高速若宮I.C.西へ約5分。姫路・加古川方面より第2神明須磨I.C.南へ約10分。駐車場は山陽須磨浦公園駅前の須磨浦公園駐車場(有料)の利用となります。