○黄金分割
黄金比をもつ長方形は古くから、もっとも調和のとれた長方形といわれている。古代ギリシアの建造物や美術・工芸品には、黄金比や黄金比長方形に近似する比や形をもつものがしばしば見受けられる。たとえば、アテネのパルテノン神殿の輪郭は黄金比長方形に近い。また、ルネサンス期イタリアの万能人であったレオナルド・ダ・ビンチは黄金比の長方形を活用して絵を描いたともいわれている。身近には名刺(9.1×5.5cm)、キャッシュカード(8.5×5.4cm)は、ほぼ縦横比が1.6である。
黄金比の縦横比を持つ長方形は図の□ABPQで、AD辺の長さを1とし長辺APの長さをxとしたとき
AP x BC 1
── = ── = ── = ───
AD 1 BP x−1
の関係にある。
また、この長方形APQDよりABCDの正方形を除いた長方形BPQCは元のAPQDに相似形である。
上の式よりxを求めると
x(x−1)=1
x2−x−1=0
の根で
x=(1+√5)/2 ≒1.6180
約1.6となる。
○黄金分割の作図
黄金分割をコンパスと定規で作図するには、1辺が2aの正方形ABCDを作り、ABの中点Mを採る。
MB=a 、BC=2a であるから MC2=MB2+BC2 ∴MC=√5a
MCを半径として、MBの延長上にPを採る。
□APQDが求める図形となる。
○正五角形
正五角形の辺と対角線は黄金比になっている。
正五角形の対角線は交わる対角線を黄金比に分ける。
このように正五角形は黄金比を秘めているので、先の黄金分割の作図法を使って作図出来る。
@正五角形の一つの辺をABとしBに垂線BCをたてる、
ABを中心とし、半径AB=aで円弧を描き(円弧a)、垂線BCの交点Cを求める
BABの中点Mを中心にし、半径MC=bで円弧を描き(円弧b)、ABの延長線上にPを求める
CAを中心に、半径AP=cの円弧を描き(円弧c)、Bを中心に同じ半径cで描いた円弧(円弧c’)との交点Rを求める。Rは求める正五角形の頂点となる。
C’RはMよりたてた垂線との交点でもある。
D 円弧cと円弧aの交点Q,c',a'の交点Sは共に頂点である。
EAR,BRは対角線である。
対角線QSは対角線AR,BRをそれぞれ黄金比に分け、またMRをも同じ比に分けている。

右の図で外の多角形を外した星形は、左がソロモンの星(五芒星)、右はダビデの星(六芒星)と呼ばれる。
ソロモンの星は呪術を封じる護符であり、ダビデの星は呪術を召還する呪符でもある。
特に 対角線で出来る五芒星は一筆描き
も出来る星であり、その中にまた正五角形が生成されるので、輪廻・再生の概念も含まれると考えられる。
東洋易学では、五角形の頂点を木とし、右回りに火→土→金→水と対応させ陰陽道の五行と関係つけている。陰陽師阿部晴明の紋章「晴明桔梗」として使われている。
五行は 木−生命 火−結合 土−空間 金−物質 水−移動 に対応し、物質主観的な西洋の四大(地水火風)・インドの五大(地水火風空)とは異なり、木に象徴される生命の要素が含まれ相互作用、輪廻の考えが入る。
相互作用には、5辺を順に右回りする五行相性(左の性が右を支える)と、一つ次の角を結ぶ対角線の五行相剋(左の性が右を押さえる)関係がある。
五行相剋を順に結ぶと、一筆描きで五芒星の形が出来上がる。
五行相生
木生火 木を擦り合わせて火をおこし、火に木をくべて大きくする
火生土 火が燃えると灰ができ、土に戻る
土生金 土の中で金属が出来、それを掘り出す
金生水 金